各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第37回)
名古屋市長賞
山山山ハウス

名古屋市に建つ1979年竣工、旧耐震RC造3階建て自邸の改修。本PJは、空間を完結した「室」に分割する構成論的手法ではなく、生活という時間軸のなかで複数生じる部分自律的な手入れを「並行する運動」の束として捉え、建築を再定義する試みである。

既存躯体という変えがたい前提に対し、作り手=使い手である私達は日々の切実さをもって応答する。少しずつ生活に合わせながら、家具や建具を作り、庭を耕し、布で光を調律し、熱環境を整え、外部の領域を拡張する。このように身の回りの事物を巻き込み、設計と生活を重ね合わせる「家庭・過程的な設計手法」を現在進行形で実践している。

機能による即時的な解決を意図的に「遅延」させ、計画と経験のズレを引き受ける。独立した複数の運動が既存の骨格と拮抗し、雑然さを許容しながらも空間に定着する時、事後的に立ち現れる「動的な全体性」こそが、計画と経験を架橋する新しい建築のあり方を示すと考えている。

応募時のパネルはこちら(PDFファイル)

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設計者:kumo一級建築士事務所/久保井 聡 望月 大地

講評:審査委員 中垣 麻野

1979 年に建てられた都心のRC 造3 階建住宅。既存躯体を活かし、耐震補強により安全性を確保した上で、子育て世代の夫婦が暮らしながら、完成形を定めず、生活の変化に応じて自らの手で楽しみながら工夫を重ね、少しずつ内部空間に手を加えている。その過程そのものがこの住宅を形づくっている。

現地審査では、住まい手の笑顔が絶えず、日々の暮らしを楽しむ姿が印象的であった。住まいを「与えられたもの」ではなく「自らつくり、育て、楽しむ」、そんな住まいの豊かさが伝わってくる住宅であった。

残す価値のある既存建物を改修し、その魅力を活かしながら次世代へつなぐ。そして、暮らしながら住まいを育てていく。この住宅が、これからの新たな住まい方を考える一つのヒントとなることを期待したい。

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