各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第32回)
名古屋市住宅供給公社 理事長賞/愛知県森林協会長賞
今伊勢の家

「高い耐震性」と「開放的な空間」も両方を求められた場合

通常2階の方が1階よりも構造上必要な壁量が少なくなるため2回にLDKをもっていく方が理にかなっている。
ここでは、前面道路が個人の所有物である私道(生活道路)という周辺環境であることから、内外がシームレスに連続する空間を計画することで与えられた条件の中で最大限の空間的ボリュームの獲得を目指す。幅8mの「門型フレーム」が並ぶだけの単純明快な構成とすることでバランスの良い耐震性能と大きな開口部を両立させた。計画地は古くから繊維工場が栄えた工業地域に属し、近年の開発により宅地化され、地域産業と住宅が共存して居住環境が作られている。前面道路はその宅地化によってつくられた私道でありこの道に接する数件の家で共有する行き止まりの「生活道路」である。
この辺一帯は主要な道路から枝分かれのように伸びるこの「生活道路」が張り巡らされ、それぞれ固有のコミュニティが形成されていた。この道路ごとに異なる独自の場所性をそのまま住空間に取り込むことで地域産業の副産物的にできたコミュニティを住宅地としての新たな風土として地域づくりに寄与することができないかと考えた。

「門型フレーム」は耐震要素としての他、一定の間隔で並ぶことで空間にリズムを与え街との距離感を測る物差しとしての役割を担い、レールを仕込むことでフレームごとに生活に応じて簡単にプライベート化することを可能にした。
限られた敷地内を有効に活用するために軒を外部空間まで連続させることで大屋根の下で住み手の生活が徐々に地域に滲み出ていくことを期待している。
近隣には高さのある建物もあり偶然にも程よく包まれた周囲の環境のおかげで道路を含んだ隣地までを生活空間として取り込むことができた。

応募時のパネルはこちら(PDFファイル)

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設計者:川本達也建築設計事務所/川本 達也

講評:審査委員 松岡 由紀夫

ロケーションは、古くから繊維産業が盛んであり、地域の経済活動を支えた地域の特殊性が有り近年の開発により宅地化され、地場産業と住宅が共存する住宅環境生みだされているところに建築されています。
門型フレーム、登り梁を用い各部屋の開放的な空間、耐震性を配慮し、敷地を有効に利用している。
軒先を最大限利用し屋根と一体としその空間を、家族団欒に利用し又、地域の人々の交流が図れる場に提供でき地場産業における固有のコミュニティをこの地に共存した新たなコミュニティづくり貢献出来そうな期待を感じます。

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