各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第35回)
名古屋市住宅供給公社 理事長賞
愛知県森林協会長賞
庇の家

 岡崎市中心部からはずれ、蒲郡方面へ行く途中の山裾に建つ住宅。東海道の藤川宿と赤坂宿の中間地点となる本宿が近くにある。

 伸びやかな土地に建つ周囲の住宅は2階より1階が大きく、下屋がつくられていた。その屋根が重なる風景を箱型の住宅でも引き継ぐように1階の四周に庇を回した。

 南には縁側をつくり、大きい庇を支える垂木は室内まで伸び、構造的に釣り合う。室内でも庇で守られる安堵感がある。内庇のような垂木の上には欄間があり、カーテンを閉めても垂木の間から光が漏れ、外を感じられる。外に開くというより、外部が内部に入り込む。垂木を登った先には階段と吹抜があり、空へと続く内向的な開放感をつくった。

 南側に建つ実家との間に以前からあった庭を改修し、道路から崖越しに山並みが見え、風が流れる。実家と程よい距離感を保つ。風景を取り込みながら、それに 引きずられない力強さをめざした。

応募時のパネルはこちら(PDFファイル)

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設計者:諸江一紀建築設計事務所/諸江 一紀

講評:審査委員 安藤 春久

 岡崎市の山間部に建つ庇の家は、水回りや玄関等を両サイドに配し、積極的に空間を開放的にするために、リビング・ダイニング・キッチン等を中央部に計画している住宅である。また、この中央部に光や風の流れを取り込むため、スキップフロアーや階段なども利用し、より解放感のある空間を作り出している。 

 特に、リビングの南側中央部に配した出の深い庇は、リビングの内部まで庇の垂木を延ばすことで、庇上部に設けられたトップライトからの光りも、この垂木を通して光が入り込み、空間の豊かさを感じる事ができる。さらに、この庇下部の木のテラスも光りを反射し、リビングの奥まで光が入り込んでおり、この庇の家は、光や風の流れを考えた明るく開放感のある住宅であると評価された作品である。

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