各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞(第30回)
佳作 愛知県森林協会長賞
加納馬場の家

住んでいた家を取壊し母と夫婦が3人で住むために住宅を建替えた計画。周辺はマンションや住宅、工場、田園など多様なボリュームが雑然と立ち並んでいる。愛知県は、家族がそれぞれ1人1台の車を保有することも多く住宅を計画する際、必然的に数台分の駐車場を確保することが前提にある。

本計画においても3台+αの駐車場、その内2台は雨に濡れないようにいう条件を望まれた。条件を敷地に当てはめると駐車場だけで大きな割合となってしまう為、車を停めておく場所としてだけではなく、その場所と周辺環境や内部との関係を見直すことから設計を考えた。

最初に平面6m×6mのボリューム2つを敷地の東西に並べることをした。西側のボリューム、1階を駐車場とし、天井高4m、工場のようなスケールと木造の設えを持ったピロティは周辺の工場と住宅のスケールを調整する役割となりうるよう考えた。東側のボリューム、1階は天井高を抑えた母親の部屋やダイニングキッチンなどを配した。2つのボリュームの北側に水回りの下屋を付属させ1階の平面となる。下屋を付属させることで隣地と平面で距離をとり、屋根を45°の急勾配とすることで北側の住宅に対する日当りに配慮した。西側のボリュームの上階には天井を抑えた寝室や個室。東側のボリュームの上階には4mの天井の高いリビングを配した。東西のボリュームで上下階の天井高を断面で互い違いにすることで床高に差ができそこに隙間が生れる。2つのボリュームの繋がりと、床高の違いで生れた隙間はガラスの木製建具を嵌め、周辺環境との関係を築いたピロティと内部空間を関係づけると共に、周りの景色と緩やかに繋がる開口とした。駐車場として計画した大きな空間を持ったピロティはそれに留まらず、施主の趣味である外でのアクティビティに対しても大いに応える。周辺環境と住宅との関係性において広がりが生れた空間が生活の質にも返答してくれることを期待している。

応募時のパネルはこちら(PDFファイル)

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設計者:スミレ設計室/小林 アツシ

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