各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第30回)
審査委員長特別賞
瑞穂の家

敷地は名古屋市東部の静かな住宅街で緑が豊かな地域に位置している。
家族構成は、夫婦2人+子ども3人、夫の母、将来予定している子ども世帯の3世帯の住宅である。

計画にあたり、家族の皆それぞれに住まい方や植物へ深い造詣がある事から、軒の出があり緑に囲まれながら四季を感じ、安らげる住宅が良いと考えた。

接道道路沿いにアカカシ・ハナミズキ・ソヨゴなどを植え、1階の南西角に植栽バルコニーを設け、道を歩く人に潤いを与えるセミパブリックゾーンとした。門をくぐり玄関へのスロープを進むと母の庭からキンモクセイ・アカマツ・ツバキなどが、施主世帯の庭からハイノキ・アオダモ・ソヨゴなど約20種の植栽が出迎える。母のリビングからはイロハモミジ・椿・金木犀・紅白の梅など、施主世帯のリビングからはサルスベリ・ハイノキ・南高梅など、季節を感じる庭が見える。家の中心にある仏間から廊下を挟んで見える庭には旧家の記憶を受け継ぐ北山杉を移植した。

3寸勾配の一文字葺きの数奇屋屋根、外装仕上は名古屋と淡路の土を混ぜたモルタル掻き落としとし、内装仕上は数種類の仕上を用いた漆喰塗りと名古屋と京都の土を混ぜた聚楽塗りの他に版築などで空間に落ち着きをもたせた。

母の住まいは、介護されるより自立した生活を楽しみにしている事から、短い動線に配慮したワンルームとし、施主の住まいは未来の子ども夫婦と孫との触れ合いに期待し、多くの家族に囲まれながら生活ができるようにした。子ども世帯の住まいは祖母と両親に気を遣わないように各自の部屋にアクセスできるなど、それぞれの生活スタイルを大切にしているが、母の住まいと施主の住まいは庭や仏間を挟むように配置し、子世帯は両世帯からアクセスできるようにし、付かず離れずというようにプランした。空間は面積より容積に主眼を置き、豊かさを表現した。

今後、家族が増え皆が健康で賑やかに住まうことを切に望んでいる。

応募時のパネルはこちら(PDFファイル)

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設計者:(株)濱田建築事務所/濱田 修

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